清里町
\すまんな、アドセンスやで!/
Googleの画像表示はからスポット名をクリックし、サムネイルを押すと表示されます。
清泉
裏摩周 展望台
同じく1986年、オコタンペの後ですが裏摩周展望台にいきました。
その3年前に始めて北海道にいった際、バイク乗りからそこからなら
湖畔まで降りていけると聞いたんで。
土産物/休憩所があるところにバイクを止め、展望台から直下に樹を
頼りに降りていった。湖畔で一服。写真を撮って、赤い小石を一つ拾って。
霧が出てきて、あまり景色的にはよくなかったけれど。達成感に浸りながら
チャプチャプ言う波音を堪能した。
缶コーヒーとタバコで一服し、カメラとゴミをデイバックにいれて登り開始。
暫く登ると、上から「おーい。どっちにいくんだ!こっちだこっち!」と男の声が
する。あれ?誰だろうと樹にしがみついて上を見るけれど・・・樹に邪魔されて
人は見えない。「こっちだって!」という声は俺から見て右側上方から聞こえる。
結構苦しいんで、お礼を言いつつ誘導してもらった(ずっと右側に誘導され
続けた)。
縁にでて、お礼を言おうと顔を上げると。廻り一面の熊笹。駐車場なんて
どこにも無い。霧をかき混ぜる風が吹いているだけ。
??と思い、「おーい」と誘導してくれた男に声をかけるが・・・反応無し。
踏み分け痕も無い、熊笹の中で困惑していると、俺の周りを男の哄笑がぐるぐる
廻るんですよ。でも誰も見えない。
パニック起こして、縁から向う(湖の反対側)の熊笹に飛び込んだら、俺の
背丈より高いのね。熊笹しか見えない。ええくそ!と腰のナイフを抜いて、やたら
めったらに笹にきりつけてみたけれど、切れないんですわ。歩きたくても、笹が
邪魔してあるけない。怖さ以上に、ムカッパラたって来て怒鳴りながら切り捲った
けれどだめ。このときには笑い声は消えていたと思う。
息を切らせちゃって、とにかく落ち着けと。さっき飛び出した縁にようやくのことで
たどり着いて、落ち着こうとタバコ数本纏めて火をつけて。
必死に考えて、あいつは俺を右へ右へと誘ったんだから、駐車場はこの位置から
左にあるんじゃないかと想像した。時計はもう夕暮れが近い時間を示していたし。
一か八かだ!というわけで、また笹の中に飛び込んで、切るんじゃなくて足で笹の
幹?を横から前に押し倒すようにして歩き出した。怒りと怖さを紛らわせるために
怒鳴りながら掻き分けて。時々飛び上がって、目印の白樺を確認しつつ歩いた。
40分くらいか、ようやく展望台に出た。
ボロボロになって、休憩所横に置いたバイクに戻ったら、店のおばさんが心配して
待っていてくれていた。遭難したか、自殺デモしたのかと思ったらしい。
お茶をご馳走になって、説明したらおでんを奢ってくれた。
「私も夜は下に戻る(町に戻るということでしょう)から・・・。もう店を閉めようと思った
んだけれど、あんたが帰ってこないから待っていた。まあ、山にはいろいろいるらしい
から。戻ってこれてよかったね」という意味のことを言ってくれて。泣いた。
こんな話です。
2chで見る